UFJ消滅 メガバンク経営者の敗北

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2017年04月09日

UFJ消滅 メガバンク経営者の敗北

こんばんは、メガバンク大好き、メガバンク滝川@マネテク!です。

実は昔銀行で働いていたことがあります。
一瞬ですが(笑)。



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三和銀行の首都圏戦略に興味


さて、この本を手に取ったきっかけが、「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」で紹介されていたことから読み始めた「MBA経営戦略」でケーススタディとして三和銀行の首都圏戦略が取り上げられていたからです。
三和銀行の首都圏戦略は、当時関西に基盤を置きつつ、都銀トップのポジションを虎視眈々と狙っていた三和銀行が、駅前の一等地にATMを置きまくることで(かつそれを無人店舗と位置づけ)一気に利便性を高めてリテールで攻勢をかける、という(当時としては)斬新な戦略でした。

ケーススタディでは、三和銀行の戦略が成功例として取り上げられていた形でしたが、「MBA経営戦略」が書かれたのが1999年。
その後の三和銀行のことが知りたくなり、読んでみました。

UFJ銀行が吸収合併された経緯


三和銀行が東海銀行と合併してUFJ銀行になったのはもちろん知っていましたが、その後気がついたら一気に経営状況が悪化し、東京三菱銀行に吸収合併された経緯は、詳しくは知りませんでした。

この本は、UFJ銀行が金融庁との対立の末、無条件降伏と言ってもいいような形で東京三菱に飲み込まれていく、その真相が書かれています。
最初はサラッと読むつもりだったのですが、結局全部読んでしまいました(笑)。
UFJが打つ手がない中どんどん追い込まれていくところや、三井住友と東京三菱によるUFJの奪い合いなど、ビジネスの世界は怖いなぁと思いました、という小並感(笑)。

UFJ消滅の真相


UFJ破綻、消滅の真相を簡単にまとめると、こういうことです。
当時は不良債権処理のために公的資金が注入されている状況で、金融庁が厳しく銀行を指導している状況でした。
2年連続で赤字を出すと経営陣は退陣、3年連続で赤字を出すと国有化、というのがルールです。

そんな中、UFJの大口融資先、ダイエーの不良債権がUFJ銀行を消滅に追い込みます。
UFJ銀行はこれ以上赤字を出せない状況に追い込まれている中、何とかダイエー向け債権の引当率を高めずに済むように画策し、そして不正に手を染めた、ということです。
そしてそこに至るには、実権を握った旧三和派の旧東海派への仕打ちと、それに対するトヨタを含めた名古屋財界からの反発などが背景としてあった、ということのようです。
2003年10月7日、金融庁による特別検査の実地調査が始まった。この特別検査の目的は各大手銀行が抱えている大口融資先を中心に、適切な債務者区分と貸し倒れに備えてあらかじめ積んでおく引き当て金の額が適切であるかどうかを、金融庁がチェックすることにある。
債務者区分というのは金融機関の融資先を「正常先」「要注意先・要管理先」「破綻懸念先」「実質破綻先・破綻先」の4つの区分に分類するというもの。
このうち不良債権は「要注意先・要管理先」以下を指す。
ただ「破綻懸念先」以下は、すでに破綻しているか誰が見ても破綻は時間の問題という、正真正銘の不良債権である。いやがおうでも処理をしなければならないので、個々の銀行の判断が入り込む余地、金融庁と銀行の間で意見の齟齬が生まれる余地はない。
問題なのは「要注意先・要管理先」だ。
ここに区分された企業というのは客観的にこの企業はもう終わりと言う判断を下せないレベルの経営状態にある。言い換えれば金融庁がもう時間の問題だと主張しても、銀行が「いやいや。まだまだ再生の可能性はある」と言えばそれが通ってしまうこともある。いわば、グレーゾーンとして企業の生殺与奪の命運が銀行の胸一つにゆだねられているというわけだ。
金融庁がこのブラックボックスにメスを入れようとして始めたのが特別検査だ。
その狙いは銀行が本来は破綻懸念先として分類すべき企業を、意図的に要注意先にとどめていないかどうかを、金融庁が銀行の保有する資料などをもとにチェックすることにある。
各銀行でまちまちになっている債務者区分の認定に”横串”を通し、銀行間の債務者区分さらには結果的に引当率を同じ水準にもっていくことを目的としている。
当時、みずほは50%、三井住友は40%の引当金を積む中、合併により圧倒的シェアを持つメインバンクとなったUFJの引当金は30%。
引当金を積み増すことは、経営陣の退陣、国有化のほか、自己資本比率の低下によりBIS規制で海外業務から強制的に撤退させられる等、業務継続が困難な状況に陥ることを意味していました。

まとめ:銀行業務は規制との戦い


私が銀行で働いていた頃は目先の仕事でいっぱいいっぱいで、銀行全体のことなど何も分かっていませんでしたが、銀行は全くもって安定的な企業でもなんでもなく、高い公共性を踏まえた厳格な規制の中で業務を遂行していく必要がある、ということがよく分かりました。
そう考えると、当時みずほが強行した1兆円増資は、他に打つ手がない状況で倒産を回避する最善手だったのだと思います。
増資がなければみずほも倒産して今の銀行業界はまた違った形になっていたかもしれないですね。

UFJ消滅―メガバンク経営者の敗北
★★★
星の基準
★★★★★ 手元に置いて何度も読み返したい名著 買って配りたい
★★★★ また読みたい、いい本。他人に勧めたい
★★★ よい本だった。また読むかは微妙。
★★ 読む価値のある部分もあるが…。また読むことはなさそう。
★ 時間の無駄だった。
※この記事は、以下関連ブログ記事からの転載記事です。
・UFJ消滅 メガバンク経営者の敗北 | ブックスたきがわ

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by ジョージ滝川 at 06:56 │ Comments(0) TrackBack(0) 読書  
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