(書評)「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す 野口悠紀雄
こんばんは、野口悠紀雄大好き、「超」滝川@マネテク!です。
昔は「超」整理手帳をめちゃくちゃ愛用していたり、野口悠紀雄先生に関してはかなり尊敬しています。
金儲けとか全く考えずに自らの理想を追求している感じが好きです(笑)。
さて、最近、仕事のメモの管理フローなどを見直していることもあって、少しでも参考になればと思い、「超」AI整理法を購入してみました。
非常に読みやすい内容なので、2時間くらいで読めると思います。
目次
気になった箇所を抜書き
例によって以下、気になった点を抜書きしておきたいと思います。
「速く書ける」より「スタートできる」のが重要
これまでも私は、「文章を書く際に最も重要なのは、とにかくスタートすることだ」と考えており、「全体の構想がまとまらなくても、とにかく書き始める」ことを心がけていました。
スタートさせるのは、容易ではありません。書き始めようとしても、非常に大きな慣性が働くのです。ところが、音声入力を用いると、この関門を突破することができます。つまり、「出発」することが簡単にできます。なぜなら、思いついたことをしゃべるだけでよいからです。音声入力は、立ちはだかっている岩盤を突破するためのドリルのようなものです。
これは私自身もブログの記事の下書きをスマホの音声入力でする際に感じます。
とりあえずネタさえ決めて話し始めてしまえば、クオリティはともかくそこそこの分量の文章ができあがる、というのは実感として持っています。
「使わずファイル」を作って心理的抵抗を減らす
過切な構成を作るために、それまで書いたものを捨てる必要がある場合があります。せっかく文章の形に整えたものを捨てるのは、いかにも惜しいことです。しかし、不要なものが残っていると、文章が弱くなります。「捨てることによってこそ、残ったものの価値が上がる」ということを、認識しなければなりません。
昔から、「文章を書く要諦は、どれだけ捨てるかだ」と言われてきました。音声入力を利用するようになると、さまざまなことを簡単に書けるため、このことの正しさがさらに増加します。
これも私自身がブログの記事の下書きをスマホの音声入力でする際に感じていることです。
先ほども「クオリティはともかく」と書きましたが、とりあえず文章の形にはなっているので、捨てるのがもったいないんですよね…(笑)。
でも、この「文章を書く要諦は、どれだけ捨てるかだ」というのは非常に腑に落ちる表現なので、今後肝に命じていきたいと思います。
ちなみに仕事で年度の目標に対する評価(字数制限あり)を書くときも、最初は目一杯書いて、後から字数制限に収まるように表現を見直したり内容を削ったりした方が、内容が濃い文章を書くことができるという感覚があります。
それも同じ「どれだけ捨てるか」なのかもしれませんね。
重要なのは、「ほぼ目的が達成でき、しかも簡単に実行できる仕組み」を考え出すこと
多くの人は、体裁がきれいなデジタルアドレス帳を作ろうとしています。そのために多大の努力をしています。しかし、それを作ろうとする努力は、成果に見合わないものです。普通の人の場合にはもちろんのこと、営業関係の仕事の人であってもそうです。
繰り返しますが、目的は、名簿の作成それ自体ではありません。「何とか機能するシステム」を作ることです。資料の整理について、分類や整理そのものが目的ではなく、「何とか機能するシステム」を作るのが重要であるのと同じです。以上を考えると、ここで述べた方法は、「究極の名刺管理法」と言えるものです。
「名簿を作る」というのは、電話や手紙で連絡をしていた時代に必要だった作業です。
メールが主たる連絡手段になった現代では、名簿は不要の存在になっています。それにもかかわらず多くの人は、「名簿を作らなければならない」と考えています。技術が進歩しても、考え方はなかなか変わらないものです。重要なのは、「ほぼ目的が達成でき、しかも簡単に実行できる仕組み」を考え出すことです。「完璧に機能するが、実行するのが面倒な仕組み」では意味がありません。
昔はきれいに整理されていないと後から探せなかった、という理由があったと思うのですが、現在は検索技術が発達したのでとりあえず情報を放り込んでおけば「何とか機能するシステム」が作れるということなのだと思います。
「超」メモ帳とは
というわけで、いろいろと示唆の多い本だったわけですが、少しだけ不満に思う点もありました。
「超」AI整理法の最大のネックは、この本で野口悠紀雄が提唱する「超」メモ帳がどういうものなのか分かりづらいということです。
元々野口悠紀雄のTwitterをフォローしていることもあり、野口悠紀雄がnoteで「超」メモ帳について語っていることは知っていましたが、無料で読めるnoteの範囲では、それが具体的にどういったものなのかは明かされていませんでした。
その答えがこの本に書かれているのではないか、という期待のもと、本を購入したわけですが、ちょっと読んだだけではさっぱり理解できませんでした(私の理解力が足りないだけだとは思いますが…)。
図解とかされていることを期待していたのですが、そのようなこともなく、書籍を購入して閲覧できるサポートページを見れば具体的な内容が分かると思っていたのですがさっぱり分かりませんでしたと。
いうわけで私なりにポイントを解読して把握した、「超」メモ帳とは何かを書き留めておきたいと思います(笑)。
「超」メモ帳は「Googleドキュメント」上に保存されているドキュメントの集合体
まず「超」メモ帳というのは「Googleドキュメント」で実現されるものです。
すなわち、「Googleドキュメント」上に保存されているドキュメントの集合体ということです。
「Googleドキュメント」の検索機能を使ってこのメモ帳を検索できるようにしておくというところがポイントになります。
「超」メモ帳は、「AI時代のメモ帳」である
ここで提案している検索の仕組みは、音声入力がなければとても面倒で、使いこなせません。音声入力は、AIのパタン認識技術によって初めて可能になった入力の方法です。したがって、ここで提案するメモ帳は、「AI時代のメモ帳」であるということになります。
もう少し正確に言うと、AIのパタン認識技術とデータのクラウド保存、そしてスマートフォンによるコンピュータの小型化、という3つの技術が使えるようになって初めて可能になったメモ帳です。これらのどれか1つが欠けても、「超」メモ帳は実現しません。
「超」メモ帳はこうした技術を利用しているので、これまでのメモ帳とは比べ物にならないほど強力なものになるのは、当然のことです。
「超」メモ帳の肝はメタ情報の管理
結局のところ、「超」メモ帳の肝は、以下の通りです。
・あらゆる情報を、スマートフォンから音声入力を使ってGoogleドキュメントにメモする。
・メモしたら、後で検索で引っ掛けられるよう、キーワードを入れておく。
例)
記録・データ:「いいい」
新聞見出し:「いいい」+「新聞見出し」
日記:「日記日記日記」
TODOメモ:「やることやること」
携帯品:「携帯品携帯品」
神様ファイル:「保存保存保存」
リンク集:「リンクリンクリンク」
・キーワード(メタ情報)を一元管理して、いつでも引き出せるようにしておく。
これを解読して思ったのは、数年前からevernoteで行われている「脳の外部化」のプラットフォームがGoogleになり、音声入力と本文中へのキーワード埋め込みという小技を追加したものだ、ということです。
個人的には、テキスト以外にも放り込めるという点でevernoteは優秀だと改めて思い直しました。
なお、書籍の特典として(?)ダウンロードできるサンプル(なぜかGoogleドキュメントではなくWord形式w)を見ると、だいぶイメージが湧くと思います。
「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す
★★
星の基準
★★★★★ 手元に置いて何度も読み返したい名著 買って配りたい
★★★★ また読みたい、いい本。他人に勧めたい
★★★ よい本だった。また読むかは微妙。
★★ 読む価値のある部分もあるが…。また読むことはなさそう。
★ 時間の無駄だった。
今日のマネテクポイント
比較的多作な方ですが、幅広い見識を持っているのでいろいろと読んでみることをおすすめします。
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