(書評)エッセンシャル思考 グレッグ・マキューン
目次
本の概要
エッセンシャル思考と非エッセンシャル思考を対比しながら、エッセンシャル思考とはどういうことなのか、ということを解説してくれる本です。
エッセンシャル思考とは
エッセンシャル思考とは、一言で言えば「本質を追求する考え方」で、要は世の中のほとんどは本質ではないから本質的なことにフォーカスすべし、ということになります。
メッセージは非常にシンプルなのですが、いろいろと心に響く具体例や言い回しがありましたので、例によって抜き書きして紹介したいと思います。
エッセンシャル思考を身につけるためには
3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えなくてはならない。
「やらなくては」ではなく「やると決める」。 「どれも大事」ではなく「大事なものはめったにない」。
「全部できる」ではなく「何でもできるが、全部はやらない」。
より少なく、しかしより良く
エッセンシャル思考は、より多くのことをやり遂げる技術ではない。
正しいことをやり遂げる技術だ。
もちろん、少なければいいというものでもない。
自分の時間とエネルギーをもっとも効果的に配分し、重要な仕事で最大の成果を上げるのが、エッセンシャル思考の狙いである。
自分で優先順位を決めなければ他人の言いなりになってしまう
エッセンシャル思考とは何か
1.選択
私たちは、時間とエネルギーの使い道を選ぶことができる。だからこそ、トレードオフを引き受けることも必要になる。
2.ノイズ
世の中の大半のものはノイズである。
本当に重要なものはほとんどない。
だから、何が重要かを正しく見極めなくてはならない。
3.トレードオフ
全てを手に入れることはできない。
何もかもやるなんて不可能だ。
何かを選ぶことは、すなわち何かを捨てること。
「どうやって全部終わらせようか」と考えるのをやめて、「どの問題が一番重要か?」と考えよう。
見極める技術
エッセンシャル思考の人は、そうでない人よりも多くの選択肢を検討する。
逆説的だが、それが事実だ。何でも無批判に引き受ける人は、何も検討しない。
だがエッセンシャル思考の人は、あらゆる選択肢を検討したうえで、重要なことにイエスと言う。
軽い気持ちでなく、本気でとことんやるからこそ、最初の見極めに力を入れるのだ。選ぶ基準を明確にすれば、脳のサーチエンジンは厳密な結果を返してくれる。
「良いチャンス」で検索すると、なんとなく良さそうな情報が延々と出てくるだろう。そこで検索オプションとして次の3つの問いをつけ加える。
「自分は何が大好きか」
「自分は何がいちばん得意か」
「世の中の大きなニーズに貢献できるのは何か」すると、検索結果を絞られてくるはずだ。
なんとなく良さそうなことを眺めている暇はない。
考えるべきは、どうすれば最高の成果が出せるかということだ。正しいことを、正しいときに、正しい方法でやる。そのためには、基準を厳しくするしかない。
エッセンシャル思考の人は、たっぷりと時間をかけて選択肢を見くらべ、意見を聞き、話し合い、熟孝する。
無駄に悩んでいるわけではない。
大量のどうでもいいことのなかから、少数の本質的なことを見極めようとしているのだ。
捨てる技術
すべてを手に入れることが不可能なら、何かを捨てるしかない。
では、誰がそれを決めるのか。
もしも選択の権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになる。
自分で「これを捨てる」と決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまうだろう。
仕組み化の技術
努力と根性でやりとげるのではなく、すんなり実現するようなしくみをつくるのだ。
無駄な作業に費やす時間が減る分、じっくりと計画を立てて、事前に障害を取り除くことができる。
選抜−もっとも厳しい基準で決める
「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」
まさにエッセンシャル思考らしい発言だ。選択肢を検討するときには、常にこの基準で考えた方がいい。
本質を見極めるには、時間がかかるということなのだと思います。
だからこそ、きちんと考える時間をしっかりととって、ノイズを排除して本質的なことに集中する必要があるのです。
目標−最終形を明確にする
「かなり明確」を「完全に明確」にする
目的が明確でないとき、人はどうでもいいことに時間とエネルギーを浪費する。
「2012年までに、イギリスのあらゆる人がインターネットを使えるようにする」
シンプルで、具体的で、魅力的で、測定可能な目標だ。
「たったひとつのことしかできないとしたら、何をするか?」
「達成をどうやって判定するか?」
編集−余剰を削り、本質を取り出す
編集の4原則
削除する、凝縮する、修正する、抑制する
バッファ−最悪の事態を想定する
見積もりは1.5倍で考える
エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きることだ。
本当に大切なことを見極め、そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなる。
自分の選択を心から誇りに思える。
豊かで意味のある人生を選ぶか、それとも苦痛と後悔に満ちた人生に甘んじるか。
この本を読んでくれたあなたには、ぜひ前者を選びとってほしい。
人生の分かれ道に直面したら、自分にこう問いかけてほしい。
「本当に重要なのは何か?」
それ以外のことは、全部捨てていい。
まとめ:エッセンシャル思考
スティーブ・ジョブズなんかは、まさにエッセンシャル思考ですよね。
TEDの仲さんのスピーチとか、参考になります。
ついつい、非エッセンシャル思考に陥りがちなので、意識してみたいと思います。
エッセンシャル思考
★★★
星の基準
★★★★★ 手元に置いて何度も読み返したい名著 買って配りたい
★★★★ また読みたい、いい本。他人に勧めたい
★★★ よい本だった。また読むかは微妙。
★★ 読む価値のある部分もあるが…。また読むことはなさそう。
★ 時間の無駄だった。
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