基準価額が3万円の投信は、1万円の投信より「割高」なのか

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2026年09月20日

基準価額が3万円の投信は、1万円の投信より「割高」なのか

こんばんは、数字の大小に惑わされがち、基準価額滝川@マネテク!です。

投資信託を選んでいると、こんなことを思ったことはないでしょうか。

「このファンド、基準価額が32,000円になってる。もう高すぎるのでは」
「こっちは9,800円だから、いまが買い時かも」

これ、株式の感覚を投資信託に持ち込むと起きる勘違いの代表例だと思っています。
というわけで今回は、短く整理しておきます。
基準価額が3万円の投信は、1万円の投信より「割高」なのか

基準価額とは何か

まず定義から。

基準価額 =(ファンドの純資産総額 ÷ 総口数)× 10,000

多くのファンドは、1万口あたりの価格として表示されます。
そして、ほとんどのファンドは設定時に10,000円からスタートします。

つまり、基準価額が32,000円のファンドは、設定時から3.2倍になったということです。
9,800円のファンドは、設定時から2%下がっているということになります。

だから「高い=割高」ではない

ここが肝心なところです。

基準価額は、そのファンドがこれまでどれだけ増えたかを示す数字であって、割安・割高を示す数字ではありません。

株式なら、1株の価格に対して「利益の何倍か(PER)」といった指標で割高・割安を議論できます。
でも投資信託の基準価額には、そういう比較の土台がありません。

なぜかというと、基準価額は中身の資産の時価をそのまま反映しているだけだからです。
中に入っている株式や債券の時価を足して、口数で割っただけ。そこに「割高のプレミアム」が乗る余地がないんですね。

買える量が変わるだけ

10万円で買う場合を考えてみます。

・基準価額32,000円のファンド → 約31,250口
・基準価額9,800円のファンド → 約102,040口

口数は違いますが、投じた金額は同じ10万円です。

そして、その後どちらも10%値上がりしたとすると、

・32,000円 → 35,200円。評価額は11万円
・9,800円 → 10,780円。評価額は11万円

まったく同じです。

投資信託では口数の単位が細かい(1円単位や100円単位で買える)ので、「1株が高くて買えない」という株式特有の問題も起きません。

じゃあ何を見ればいいのか

基準価額の絶対値ではなく、こちらを見たほうが実になります。

1. 何に投資しているファンドなのか
全世界株か、先進国株か、S&P500か、債券混合か。中身がいちばん大事です。

2. コスト
信託報酬と、実際に引かれている実質コスト。ここは確実にリターンを削ります。

3. 純資産総額とその推移
小さすぎるファンドは繰上償還(途中で運用終了)のリスクがあります。減り続けているファンドも注意です。

4. 分配金を出しているかどうか
分配金を出すと、その分だけ基準価額は下がります。
なので、分配金を出すファンドの基準価額は、成績の割に低く見えることがあります。ここは特に誤解を生みやすい部分ですね。

5. トータルリターン
分配金も含めた実際の増え方。基準価額の推移だけを見ると、分配型ファンドを過小評価してしまいます。

「基準価額が安いファンド」に潜むもの

むしろ気をつけたいのは逆のケースです。

基準価額が設定時の10,000円を大きく下回っているファンドは、長期にわたって成績が振るわなかった可能性があります。

もちろん、設定されたばかりで相場が悪かっただけ、というケースもあります。
ただ、「安いから買い時」と判断する前に、なぜ下がっているのかを確認したいところです。

「基準価額が下がっている=バーゲン」という発想は、投資信託ではあまり成り立ちません。

まとめ

・基準価額は「純資産総額 ÷ 総口数 × 10,000」。多くは1万口あたりの価格
・ほとんどのファンドは設定時10,000円からスタートする
・基準価額の高さは、これまでどれだけ増えたかを示すだけ。割高・割安の指標ではない
・同じ金額を投じるなら、基準価額が高くても低くても結果は変わらない
・見るべきは、投資対象・コスト・純資産総額・分配方針・トータルリターン
・基準価額が低いファンドは「安い」のではなく「増えていない」可能性がある

株を見る目で投資信託を見ると、だいたいどこかで話が合わなくなります。
別の乗り物だと思って、別の指標で見る。それだけで判断が安定すると思います😊

※本記事は仕組みの一般的な説明であり、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

(参考リンク)
・投資信託の基礎知識:投資信託協会
by ジョージ滝川 at 21:00 │ Comments(0) │ 投資信託  
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